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自宅サーバーかVPSかは電気代で決めるのが良い

自宅サーバーを運用し初めて6年くらいが経って感じたのが、自宅サーバーかVPSかは電気代で決めるのが良いということ。その理由についてまとめました。

公開日: 2022.5.2

VPSの料金構造を考えてみる

VPSで使われているマシンは、CPU世代的に10年以上前のモデルが多く、資産価値的・減価償却的に考えたらマシンのために払っている価格は月額数十円のレベルでしょう。

サーバー事業者が使っているサーバーは、Xeonなどの業務用CPUを搭載したマシンなわけですが、例えば同じようなCPUのMac Pro 2008とかは中古で1万円くらい売られていることも多いため、自宅サーバーとして買ってもコストは微々たるものです。

そう考えると、我々がサーバー事業者に払っている料金はほぼ電気代と人件費なわけで、同じ理由で自宅サーバーで考える時は人件費は自分の作業時間なので(多少はかかりますが)無視して良いレベル。そう考えると「電気代」でコスパを考えると良いかと思います。

自宅サーバーの電気代はどれくらいかかる?

では自宅サーバーの電気代がどれくらいかかるのかというと、使うマシンの消費電力と稼働時間で簡単に割り出せます。

例えば、Mac mini(2014)を自宅サーバーとして使う場合、最大消費電力が85Wで、サーバーとして50%ほどのパワーで使うとしたら概ね40Wほど。1kW・1時間の電気代を28円と計算すると、

0.04 x 28 = 1.12円

が1時間あたりの電気代です。

これを稼働時間、日数で掛け算してやれば、月額コストが見えてきます。

1.12 x 24 x 30 = 806円

VPSでいうと、2コア2GBメモリくらいの価格でしょうか。

こうしてみると、サーバー本体価格のが安くサーバー本体の費用のが高く感じますが、電気代も1年間で約1万円、3年間で3万円、5年間で5万円と考えると地味に大きなコストです。仮に1万円でサーバー本体を買ったとしたら、5年間でのサーバー本体のコスト比率は「1万 / (5万 + 1万)」で16%ほどと、意外と長期間でみると大きなコストでは無いのです。

自宅サーバーの最大のメリットは「メモリとストレージの拡張」

個人的にVPSよりも自宅サーバーが良い理由の第一は、メモリとストレージです。

VPSの場合、CPUコア数とメモリとストレージはセットでプランになっています。そのため、「メモリがもっと欲しい」となると、必然的に上のプランにせざるを得ないのです。メモリをカスタマイズできるクラウドの場合は、そもそも単価が倍くらいにになります。

自宅サーバーはどうかというと、8GBのメモリなら2,000円くらいで増設可能で、これをVPSでレンタルしようとすると月額3,000円コース、1年で3.6万、5年間で18万コースです。2,000円のメモリは1年で償却すると考えると月額166円くらいですから微々たるものです。

同様にストレージも、容量を増やそうがRAIDを組もうが、サーバーで使うくらいなら1万円もあれば拡張できます。一度拡張すれば追加費用はありません。

となると、やはり自宅サーバーの運用コストは電気代がメインとなるわけです。

感覚的には「VPS > 電気代の3倍」ならメリットが大きい

筆者の感覚になりますが、同等スペックのVPSをレンタルする場合に比べて、電気代が1/3に収まるのであれば、VPSではなく自宅サーバーにするメリットが大きいかと思います。

同料金なら管理コストを考えたらVPSの方が安いですし、半額くらいではサーバー本体代金を吸収できません。1/3くらいになると、サーバー本体代と電気代を入れてもVPSよりもかなり安くなるのでメリットがあると思います。

ちなみに筆者の自宅サーバーは、Geekbenchで4500程度のCPU(6コア)、メモリ16GB、NVMe 256GBストレージの構成で、VPSで言えば月額6,000円くらい。

Macを自宅サーバーにしたら意外とよかった件

電気代は月々900円くらいなので、VPSの1/6程度に収まっています。