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WordPressをやめてNetlify + HUGOにしてよかったところ・悪かったところ

メインのブログ・サイト運営方法をWordPressからNetlify + HUGOに移して3ヶ月くらいが経ったので、よかったところ、悪かったところをまとめました。

公開日: 2019.3.8

ちなみに、本ブログも元々WordPressで運用していたのをNetlify + Hexoに引っ越したものです。

ブログをWordPressから静的サイトジェネレータ+Netlifyに引っ越した感想

本ブログは、まだ静的サイトジェネレーターにHexoを使っていますが、他のサイトはすべてHUGOを使用しています。

よかったところ

表示速度が断然アップした

結構な性能のサーバーでも使ってない限りは、WordPressはデフォルトではかなり遅い(重い)CMSです。感覚的には、月額1,000円くらいのサーバーでないと、表示速度1秒未満は出せないでしょう。(キャッシュを使わない場合)

HUGOで生成したサイトは、まずただのHTMLサイトなので何もしないでも超高速です。Netlifyのホスティングもかなり優秀で、独自ドメインを使う場合でもDNSをNetlifyにすれば、1秒未満で表示も問題ありません。

WordPress管理からほぼ開放された

WordPressを使っていた時は、表示速度が遅くてプラグインをいろいろ試したり、機能を追加するためにいろんなプラグイン入れすぎてエラーが起こったりと、作り込めば作り込むほどカオスな状態になりがちでした。

Netlify + HUGOの構成だと、ただのHTMLサイト+静的サイトのホスティングですので、非常にシンプルで、管理するのは記事とデザインくらい。これが本来あるべき姿な気がしています。

また、HUGOにしてみて思ったのですが、プラグインがないと困るシーンは、普通のブログや記事系のサイトではそこまで多くありません。会員機能や読者機能なんて、小規模のWordPressのサイトでは、使われていないことのほうが多いでしょう。

むしろ、「HUGOで出来ないけど、WordPressのプラグインならできる」というケースなら、WordPressを使わずに素直に一から自分で構築したほうが早いということに気づきました。

サーバーの管理から開放された

WordPressの管理とほぼイコールなんですが、WordPress時代は、

  1. とりあえず安いサーバーでWordPressサイト作る
  2. 記事が増えてアクセスが増えたら重くなる
  3. 上位プランにする -> 移転作業がとてつもなく面倒
  4. 結果、あまり速くならない
  5. VPSにする -> 移転作業がとてつもなく面倒
  6. Nginxの設定、MySQLのキャッシュの設定、、、etc チューニングの嵐
  7. 結果、あまり速くならない
  8. WordPress最適化されたサーバーに移転 -> 移転作業がとてつもなく面倒
  9. やっと高速化されたけど、明らかにサーバー費用は割高

という、辛い工程がありました。

しかし、Netlify + HUGOの構成であれば、ホスティングはNetlifyが勝手にやってくれますし、万が一Netlifyが重くなったり割高になったら、「そのまま公開ディレクトリを別のサーバーにコピーするだけ」でOK。

そもそも、2019年現在のサーバーなら、たとえ月額100円くらいの共有サーバーでも、HTMLオンリーの静的サイトなら月間数十万PVでも余裕で捌けます。WordPressが重くなるのは、PHPとMySQLがメモリをモリモリ浪費してしまうからです。

サーバー費用の煩悩から開放された

Netlifyは、ホスティングに関しては下記の条件までは完全無料で運用ができます。

  1. 転送量: 100GB/月
  2. ストレージ: 100GB
  3. APIリクエスト: 500回/分, 3デプロイ/分

Quota & Limits Netlify has certain soft and hard limits in using its service. Hard limits are automatically enforced by the Service. Soft limits are consumable resources that the User agrees not to exceed. The limits are as follows unless otherwise contractually agreed upon.

For free accounts: Network Bandwidth: 100GB/month — Soft Storage: 100GB — Soft API requests: 500 requests/minute, 3 deploys/minute* — Hard

Terms of Service Agreement

ほぼ引っかかる人はいないと思いますが、あるとしたら100GBの転送制限でしょうか。それでも、個人ブログでそこまで行く人は稀でしょう。

利用料金については、下記のブログがまとまっていて参考になります。

Netlifyの無料枠のまとめ | @suzu6

複数ユーザーで管理するなど、ホスティング以外の機能やデプロイ回数などには制限がありますが、個人運営のブログやサイトでは、これらの機能が必要になることは、初期段階ではほぼないでしょう。

最初のうちはNetlifyで無料で運用して、収益が見込めたら必要に応じて有料プランにしてもいいし、他のサーバーに移ってもいいでしょう。

これがWordPressだと、無料で公開出来るサーバーは重いし広告が入ってしまいます。一方、有料サーバーだと低価格プランでは追加できるドメイン数に限りがありますし、一度契約したら「収益もほとんどないブログに毎月サーバー代払うのか」という見えないプレッシャーが出てきます。

もちろん、収益があがるようにすればいいのは当たり前ですが、気軽にいろんなサイトを作ってみたい人からすると、ホスティングだけなら無料というNetlifyはサーバー費用の煩悩から開放してくれる素晴らしいサービスです。

サイト数が多いとデプロイ時間の制限にかかってきますが、ここも正直個人レベルのサイトなら、ローカルでデプロイして出力したものをレポジトリにpushすればいいだけの話です。

作成したものがすべて自分のものになる感覚

もちろん、WordPressでも書いた記事やコードは自分のものです。しかし、これを他に移転しようとすると、すべてが「WordPress仕様」になっているため、転用がとても大変です。

一度でも、WordPressのサイト移転やサーバー移転をした方ことがある方はわかりますが、ドメインを変えるだけでも一苦労するのがWordPressです。

WordPressを使えば使うほど「WordPressで作ったものはWordPress以外では使わせないぞ」という亡霊に追われるような感覚になります。

一方、HUGOサイト向けに書いた記事はすべて「ただのマークダウン記事」なので、ノートアプリに取り込むことも、他の静的サイトジェネレーターに取り込むことも簡単です。

ドメインや設定もconfigに書く程度なので、しっかりと設定をしておけばドメイン変更レベルなら数分で終わります。

バックアップが万全でバージョニングもできる

Netlifyは基本的にGithubなどのリモートレポジトリのデータを生成してホスティングするサービスなので、記事も含めたすべての更新がgitレポジトリに履歴として保存されています。デプロイの際も、レポジトリのデータに変更を加えることはありません。

Netlify + HUGOでのサイト運用だと、記事のバージョニング機能(git)と表示機能(Netlifyのホスティング)が完全に別物になっているので、WordPressのように、記事のバージョニングがたまるほど、サイトが重くなるということもありません。

また、データはGithubやGitlabと言った巨大サービスに保管されているので、下手に個人でバックアップするよりも、よっぽど安全です。

悪かったところ

思いつく限り、ほとんどありません。

強いていうなら、Netlify CMSが若干挙動がおかしいところでしょうか。ここも、Netlify CMSは公開だけ、記事執筆はノートアプリで、切り分ければ気になるところでもありません。


実際にNetlify + HUGOの運用に変更して3ヶ月くらいですが、良いことばかりでした。

本来、ブログやサイト運営で大事なのは「有益な情報を生み出す」ことで、Netlify + HUGOで作るブログ・サイトは、まさにそこにフォーカスできます。

Netlify + HUGOにして一番よかったことが、まさにここですね。