静的サイトをCDNでオールキャッシュしたらSEO流入が50%増えた話
静的サイトのページデータをCDNに全てキャッシュ(オールキャッシュ)したらSEO流入が50%増えたので、経緯をまとめました。
公開日: 2020.9.17
静的サイトホスティングは基本遅い
最近、通販サイトとか、会員制サイトでもない限り、自社サービスでも受託でも、基本的には静的サイトジェネレータをオススメしているのですが、静的サイトホスティングサービスのサーバーは、基本的にレスポンスが遅いのが悩みです。
そもそものサーバーのスペックが低い(おそらく)のに加えて、サーバーロケーションがおそらくアメリカなので、物理的距離で300〜400msかかるので、遅いのは当たり前です。
最初のうちは、「なんだこれ、めっちゃ遅い」と思って、あれこれ修正案を考えつつ、出来ることが少なすぎて放置してました。。。
ちなみに、NetlifyはCDNで配信している(おそらくAWSだろうからCloudfrontだろうだけど)のですが、トラブルが多い(CDNへの反映に時間かかる、反映されない)上に、CDNのくせに速度が遅いのでオススメ出来ません。
速度を改善したキッカケ
単純に順調にコンテンツを足しているのにアクセスが伸び悩んでいるのと、ふと「静的サイトなんだから、全部CDNキャッシュでよくない?」と思ったからです。
基本的にネームサーバーは全てCloudflareなので、CDNは無料で付いてくるので、
- キャッシュの対象
- キャッシュの更新
をしっかり設定すれば、Cloudflareのエッジサーバーから高速配信できます。
Cloudflareについては、最近はAPIサーバーを立てないで、簡単なAPIならCloudflare Workerで簡単なスクリプトを仕込んでAPIとしていたので、エッジサーバーがいかに速いかはわかっていました。
具体的にいうと、ローカルJSONファイルをデータベースにしてリクエストを処理するJavascriptスクリプトAPIサーバーで、処理時間込みで100msくらいでレスポンスが返ってきます。
SEOに読み込み速度は関係ないと思ったら違った
実際に、オールキャッシュでもあまり影響の少ないサイトで2週間ほどテストしたところ、オールキャッシュ化した数日後から、ポツポツとアクセスが増えてきて、2〜3週間くらいで毎週前週比+20%ほどになりました。
手応えを感じたので、他のサイトでも実施してみたところ、SEO流入が10%も増えないサイトもあれば、ほぼ2倍になったサイトもあり、効果はまばらですが、マイナスにはなっていません。
サイト | 2週間後のSEO流入 |
---|---|
サイトA | +50% |
サイトB | +7% |
サイトC | +30% |
サイトD | +100% |
これは、そもそも集客しているキーワードとページコンテンツに関係していると思いますが、効果があったサイトは、そもそもコンテンツの品質的には上位だったのに読み込み速度でランクが上がらない(詰まっていた感じ)なのでは?と思っています。
ページスピードはSEOに関係ないとよく言われていますが、ランキングシグナルであることには間違いがないので、改善が出来るならやったほうが良いとわかりました。
ただ、今回はそもそもCloudflareのCDNキャッシュを使えばすぐに解決できる内容だったので良いですが、これが大規模サイトとかになる100ms削るのに大規模な改修が必要だったりするので、必ずしも最適なSEO戦略とは言い切れません。