WordPressサーバーをロリポップ!に移転してみた
いまだに結構あるWordPress案件を高速化&コスパアップするために、レンタルサーバーをロリポップ!に移転してみたのでWordPress簡単引っ越し機能の感想やベンチマークなどをまとめました。
公開日: 2020.11.24
まだまだあるWordPress案件
個人的には受託で受ける際は基本的には静的サイトをオススメして、クライアントの意向に合わせてWordPressにするというフォーマットにしているのですが、それでもやっぱり知名度もあってWordPress案件は多いんですよね。
しかも、サーバー管理まで丸投げされちゃうケースも結構あって、その場合は年単位で請求してしますが、付き合いの長いクライアントさんだとサーバー費用はこちらで持ち出しでやってたりします。
ただ、最近サーバーが重いという声をチラホラもらっていて、サーバーアップグレードか移転を数ヶ月考えていました。
ロリポップ!に移転を決めた理由
今回は、5社くらいのレンタルサーバー・クラウドを比較してロリポップ!のハイスピードプランにしました。
選んだ理由としては、
- WordPress簡単引っ越し機能があった
- 転送量が360GB/日と莫大
- LiteSpeedを使ってみたかった
- ownCloudの簡易インストールがあった
- ドメイン・メールアドレス無制限
どれが決め手だったかと言うと、どれも結構決め手でした。
今回はWordPressサイトの移転だったので簡単に移転設定したかったし、最近勢いがあるLiteSpeedも使ってみたかったし、転送量は複数サイトを運営するなら大きい方が安心です。容量が大きいので余った容量をownCloudで運用したかったと言うのもあります。
あと、地味にでかいのがドメイン・メールアドレス無制限。静的サイト案件を扱っていると、「メールアドレスどうしたらいいの?」問題がよく発生するのですが、ここを解決できるのは大きいですね。
実際に契約
契約自体は申し込みページがモダンなデザインで洗練されているのでサクサク進めました。と言うか、困るところはほぼ無いので、素人さんでも解説をする必要もないくらいの出来栄えですね。
必要なものは、
- メールアドレス
- 携帯電話(SMS認証するので)
- クレジットカード
でした。
ハイスピードプランの料金は、初期費用が無料で12ヶ月一括払いでひと月当たり750円(毎月払いだと毎月1,000円)。これまでが月額500円未満だったので、ちょっと高いかなぁとは思いますが、サーバーが強化されて収容できるサイト数が多くなれば全然ペイ出来ます。
あと、「契約期間1年追加キャンペーン」で24ヶ月になるので、実質半額で契約できたのも大きいですね。このキャンペーンは「2020/12/10まで入金して、12ヶ月延長クーポンをもらう」方式で、自動付与はされないので注意しましょう。
実際に使ってみた
管理ページ
結構モダンな感じですね。一部昔のデザインの名残みたいなのがあって、デザインがマッチしてないところもありますが、よく使うツールとかは左メニューにあるし、シンプルでいいです。
WordPressの引っ越し機能を使ってみた
今回の主な狙いであるWordPress簡単引っ越し機能を使ってみます。
「サイト作成ツール」から「WordPress簡単引っ越し機能」を選ぶとフォームが出てくるので、必要な情報を入力します。
必要事項を入力してボタンをクリックすれば、自動で移転がスタートします。何もしないでも勝手に進みます。
わずか数十秒で移転完了。マジか。
本当にこれだけで完全に移転できてます。すごい、凄すぎる。。。
DNSの変更やサーバー変更に伴うSSL証明書の再発行などは必要ですが、それを含めても作業時間的には15分とかで移転できちゃうんじゃないでしょうか。1サイト1時間以上かけて移転していた過去の自分に教えてあげたいです。。(これが理由でサーバー移転してなかった)
ちなみに、契約したばかりのロリポップ初期契約ドメイン(アカウント名.deci.jpなど)や追加したばかりのドメインにサイトを作ろうとすると、下記のエラーになることがあります。
少し時間(30分くらい)おけばエラーは解消するので、少し待ちましょう。
Apacheベンチマークで速度を計測してみた
移転が終わったら、やっぱりどれくらい高速化されているのかが気になるところですよね。ベンチマークをしてみましょう。
まずは旧サーバー(スターサーバー)で。100アクセス、同時10接続でApacheベンチでテストしました。
Server Software: Apache
Server Hostname: xxxxxx.jp
Server Port: 443
SSL/TLS Protocol: TLSv1.2,ECDHE-RSA-AES256-GCM-SHA384,2048,256
TLS Server Name: xxxxxx.jp
Document Path: /
Document Length: 33339 bytes
Concurrency Level: 10
Time taken for tests: 8.350 seconds
Complete requests: 100
Failed requests: 0
Total transferred: 3354300 bytes
HTML transferred: 3333900 bytes
Requests per second: 11.98 [#/sec] (mean)
Time per request: 835.000 [ms] (mean)
Time per request: 83.500 [ms] (mean, across all concurrent requests)
Transfer rate: 392.30 [Kbytes/sec] received
Connection Times (ms)
min mean[+/-sd] median max
Connect: 163 268 129.5 218 681
Processing: 69 428 680.7 102 3268
Waiting: 46 392 678.4 70 3246
Total: 249 696 709.5 330 3667
Percentage of the requests served within a certain time (ms)
50% 330
66% 650
75% 757
80% 1291
90% 1549
95% 2523
98% 3663
99% 3667
100% 3667 (longest request)
まあ、こんなもんですよね。昼間時間帯だったのでサーバーが空いているのでまあまあ速度出てます。
続いて、引っ越し移転したロリポップ!の方で同じ条件でテスト。
Server Software: LiteSpeed
Server Hostname: xxxxxx.jp
Server Port: 80
Document Path: /
Document Length: 33407 bytes
Concurrency Level: 10
Time taken for tests: 2.927 seconds
Complete requests: 100
Failed requests: 0
Total transferred: 3367400 bytes
HTML transferred: 3340700 bytes
Requests per second: 34.17 [#/sec] (mean)
Time per request: 292.664 [ms] (mean)
Time per request: 29.266 [ms] (mean, across all concurrent requests)
Transfer rate: 1123.64 [Kbytes/sec] received
Connection Times (ms)
min mean[+/-sd] median max
Connect: 28 68 22.2 64 173
Processing: 106 204 52.4 206 322
Waiting: 79 149 44.2 139 299
Total: 151 272 58.7 263 418
Percentage of the requests served within a certain time (ms)
50% 263
66% 288
75% 313
80% 326
90% 360
95% 385
98% 398
99% 418
100% 418 (longest request)
はやっ。もうApacheベンチが一瞬で終わりましたね。
数値的には前サーバーの1/3の速度で、Connection Timesの全てで高速化されていますが、特にConnectがかなり速くなっているのでこのあたりはおそらくLiteSpeedの恩恵なのでしょう。それにしても、WordPressでページ表示速度が300ms未満ってのは相当速いですね。
Chromeの開発者コンソールでみても、メインのHTMLドキュメントは200ms未満でロードしてます。これは本当にあの遅いことで有名なWordPressですか?
今後の使い方
WordPres案件は複数あるんですが、全部をWordPressに移転するとして、残った部分は予定通りownCloudで運用しつつ、静的サイトのホスティングとしても使ってみようかなと思っています。
PHPは久しく使ってないのでアレですが、SSHが使えるので、SSHからGitの設定などをゴニョゴニョしてCI/CDから全自動でアップできるといいですね。色々いじってみようと思います。
にしても、月額1,000円未満でこれだけのサーバーがレンタルできるようになったとは、メモリ512MBのVPSを月額980円でレンタルしてた頃から考えると良い時代になったものです。