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M1 Mac + DELL Universal Dock D6000でトリプルディスプレイ環境を構築する

1台の外部ディスプレイしか対応していないM1 MacをDELL Universal Dock D6000でトリプルディスプレイ環境に対応させたのでメモとして残します。

公開日: 2025.1.13

端末

使ったM1 Macは、筆者の現在のメイン開発端末で、M1 MacBook Air (Late 2020)。スペックは以下です。

  • CPU: M1 8コア
  • GPU: M1 7コア
  • Neural Engine: 16コア
  • メモリ: 8GB
  • OS: macOS 15.2(24C101)

DELL Universal Dock D6000

今回トリプルディスプレイ環境用に使ったのが、DELL Universal Dock D6000。USB type Cで接続して拡張するハブで、ディスプレイ系はUSBでディスプレイを拡張する「DisplayLink」を使ったモデルです。

Dell Universal Dock D6000

ポートは下記の通りです。

  • 前面: USB 3.0 x 2, USB type C x 1, ヘッドフォンジャック
  • 背面: USB 3.0 x 2, 有線LAN x 1, HDMI x 1, Displayport x 2, オーディオアウト、専用電源端子

ディスプレイが3枚、USBがType Cも含めたら5ポート拡張できます。Type Cが二つしかないM1 MacBook AirにMac Mini以上の拡張性を持たせることができるため、非常に優秀なハブです。

トリプルディスプレイ環境

今回は、なるべくCPU負荷を下げるべく、

  1. メインディスプレイ(1): TUNEWEAR ALMIGHTY DOCK C2(USB type Cハブ)からHDMI出力(内臓グラフィック経由)
  2. サブディスプレイ(2): DELL Universal Dock D6000からDisplayport出力
  3. サブディスプレイ(3): DELL Universal Dock D6000からDisplayport -> HDMI変換ケーブルで出力

という三台構成にしています。内蔵ディスプレイは使っていません。なお、この状態でMacBook Airのフタを開くと4画面構成になります。それでも動作はサクサクしていて遅延は感じません。

ディスプレイは全てフルHDディスプレイですが、DELL Universal Dock D6000的には4K/60Hzにも対応しています。

トリプルディスプレイ構築方法

まず、DisplayLinkはDELL Universal Dock D6000を接続する前にインストールしておきます。適宜、要求された権限も付与しておきます。

最初に接続した際は、「ディスプレイは映るが、USBポートが使えない」というトラブルが起こりました。DELL Universal Dock D6000にはUSBハブとしての機能も期待していたので、焦りましたが、次の方法にすることで解決しました。

  1. MacBook Airのディスプレイは開いた状態にする
  2. DELL Universal Dock D6000にディスプレイ(2)(3)を接続した状態にする
  3. 「TUNEWEAR ALMIGHTY DOCK C2」をMacBook Airの奥側のポートに接続し、ディスプレイ(1)を表示させる。
  4. ディスプレイ(1)が完全に表示されて数秒したら、DELL Universal Dock D6000をMacBook Airの手前のポートに接続する
  5. 全ての画面が表示されたのを確認したら、USBポートのチェックをする

この方法でほぼ100%DELL Universal Dock D6000の全ての機能が使えます。

ヘッドフォンジャック端子については、MacBook Airはスピーカーが付属しているので、使う場合は音声設定から「Dell USB Audio」を選択する必要があります。なおDELL Universal Dock D6000のオーディジャックに何も刺してないと、「Dell USB Audio」が選択肢に出てきません。

たまにうまくいかない時も。。。

さて、先ほど「ほぼ100%」と書いたのは、何回かに一回、USBが認識しない時があったためです。この時は再起動をして、先ほどの手順をゆっくり、確実にやり直せば回復します。

使ってみて

実際にこの環境で1ヶ月ほど使ってみましたが、すこぶる快適です。

遅延を感じる?

最初はDisplayLink接続のディスプレイに遅延を感じましたが、最近は慣れてきて内蔵グラフィック経由との差を感じません。動画編集など、フレーム単位での作業をする場合は、気になるかもしれませんが、その場合は、内蔵グラフィック経由のディスプレイにフレーム作業をするウィンドウを移せば問題ないと思います。

CPUやメモリなどマシンへの負荷

DisplayLinkアプリは「ディスプレイ数 x 10%」ほどCPUを使うと言われていますが、筆者の環境の場合はアクティビティ・モニタ読みで、18〜40%コアほど使っているイメージでした。8コアモデルなので、CPU全体から見たら5%ほどしか使っていません。ここはM1プロセッサが優秀なのでしょう。

メモリの消費量としては、100MBほどしか使っていませんでしたが、DisplayLinkを使うことでWindowServerプロセスでの消費量が多くなっている可能性はあります。

8GBメモリでも問題ない?

筆者は以前はMacBook Pro 15インチ(2017)を使っていて、そちらは16GBメモリを搭載していましたが、メモリ不足でよくプチフリーズを起こしていました。

M1 MacBook Air + DisplayLink環境でもほぼ同じアプリ、作業をしていますが、メモリは常にパンパンで6GBほどスワップしている状態ですが、動作は重くなりません。

この状態で、Ollama等メモリを大量に使う作業をすると流石にフリーズします。16GBモデルなら、DisplayLinkの存在を気にしないで良いくらい余裕なのではないでしょうか。

DELL Universal Dock D6000できちんと充電できる?

macOSのシステムレポートによると、DELL Universal Dock D6000経由で63WでACアダプタが認識されています。MacBook Airの標準ACよりも高い電力が出ています。

ちなみに、DELL Universal Dock D6000の前面Type Cポートは、これ単体でも65W給電ができます。つまり、M1 MacBook Airに63Wで給電しつつ、別のMacなどと65Wで充電することができるというわけです。