G Suite無償版からZohoフリー版への移行が大変だった件
G Suite無償版の企業向けが完全終了になるようなので、Zohoフリー版への移行する企業案件を請けたら思ったよりも大変だったのでまとめました。
公開日: 2022.5.20
企業のG Suite無償版からZohoフリー版への移行
G Suite無償版は、非営利組織の個人での使用なら無償での使用が継続できることが発表されましたが、今回の案件は企業が使っていたケースなので該当せず。まあ、管理コンソールでポチッとしちゃえば問題なさそうな気もしますが、ドメインがco.jpだったのでやめておいた方が良いとアドバイスさせて頂きました。
んで、移転先をどうしよう?と相談されて、レンサバのメールを一旦オススメしたんですが、Webメールがガッツリ使いづらくなるのが嫌な模様。あなたのところはどうしている?と聞かれてZohoのフリー版とお伝えしたら、それにすると。
こちらのクラアントさんは中小企業で従業員数は10人未満。で、メール使っているのは幹部だけってパターンだったので、とりあえずメールサーバーだけをZohoの無料版に移行することになりました。
G Suiteのアカウントについては、Googleの説明や対応が二転三転するので注視が必要ですが、ヘルプページには、
Google Workspace サブスクリプションにアップグレードしないもののご利用は続けられる場合、その他の Google サービスや、従来のエディション アカウントで購入した有料コンテンツ(Google Play ストアで購入した映画など)は引き続きご利用になれます。
という記述があるので、おそらく支払い情報を入力しないでアップグレードをしない状態にすると、Essential Starter扱いになるのではないかと思っています。
まあ、ならなくても、メールしか使ってなかった企業さんなので、新しくEssential Starterで契約しても良いですしね。
移転ツールを使ってサクッと移転・・・のはずが・・
ということで、Zohoへの移転です。
ここはZohoがGoogle APIを利用したマイグレーション機能を提供しているので、そちらを使います。
詳しい使い方は、Zohoのサポートページに書いてありますが、知識がないと厳しいかもですね。
ざっくり流れを書くと、
- Google Cloudでサービスアカウント作成
- サービスアカウントのキーを取得
- Google Cloudで対応するAPIを開放
- G Suiteの管理コンソールで、サービスアカウント宛にAPIのアクセス許可を付与
- Zohoのメール管理コンソールの移転で必要事項を入力して移行設定を作成
- 作成した移行設定を使って、移行チケットを発行する
という流れです。意外と手間ですし、途中英語や専門用語だらけの説明があるので、ある程度知識がないとGoogle Cloud Consoleあたりで心が折れるかもです。
ということで、移転をしてみようとすると、認証作成画面の自転で「無効なユーザーの詳細」という不明なエラーを吐きます。おかしい。。。
何度やっても、違う方法(POP3)でやっても、無償版G Suiteのメールをインポートできません。移転元と移転先のメールドメインが同じだからでしょうか?
無料版だと使えない?と思って、試しに筆者の個人事業で使っているZohoの同じく無料版に取り込んでみたところ、問題なく取り込みされます。なぜ・・・。
というか、自分も体験したことがありますが、Zohoって意外とbuggyなんですよねぇ。数日待ったら治ったり、別のサービスに登録しているアカウントを削除したら動いたりと、もろもろバグだらけなイメージです。
まあ、無料なので仕方ないですが、有料だったら選ばないですね。
仕方ないので、別アカウントでインポートして個別エクスポート
一応Zohoのサポートにはメールで連絡したんですが、「大丈夫!うちにはチュートリアルのYoutube動画まであるからね。そっち見てくれればトラブルシューティングできるよ!」とか、テンプレで返してくるレベルのサポートなので、問い合わせ対応をしている方が時間がかかります。
あまりクライアントを待たせたくもないので、筆者のZohoメール内に企業さん向けのアカウントを発行して、そこに一旦マイグレーションして、(NDAは結んでいます)そこから、企業さんに手作業でメールをエクスポートし、自分の新しいZohoアカウントにインポートしてもらいました。
10年分くらいのメールがあったんですが、幸い容量は4GBくらいだったので、10回くらいインポート手作業で済んだようです(Zohoのインポートは最大で一回500MB)。
ちなみに、メールを一覧から手動でエクスポートするとかなり手間なので、管理コンソールから「メールアカウントのエクスポート」でアカウント全体のメールをエクスポートした方が圧倒的に楽です。「メールアカウントのエクスポート」だと、自動で500MB未満に分けてくれます。
最後に、目視でこちらのZohoのアカウントから企業さん向けのアカウント削除とAPI情報の削除を確認してもらって、作業完了。数時間で終わる案件のはずが、まる2日もかかってしまいました・・・。
インポートしたメールが検索できない問題
対応OKと思っていたこの案件、後日談があって、「インポートしたメールが検索できない」とクライアントさんから連絡があって、見てみると確かにできない。なんつーバグですか。。。
というわけで、どうしたものかと苦慮していたら、普通にMigrationが出来るようになっていた。。。
Zoho Mail、あまりお勧めできません。
クライアントに手作業をさせてしまうという大失態だったんですが、こちらとしても夕飯ゴチくらいの金額で受注しているので、作業的には赤字です。
この辺りの外部サービスを使う案件はどうにも受注金額と実作業のバランスの読みが難しいですね。