Jetson nanoまとめ - スペック、歴代Jetsonやラズパイとの比較、日本での購入場所

Jetson nanoって？

2019年3月18日に、米NVIDIAのプライベートイベント「GTC」で発表されたシングルボードコンピュータです。

小さいサイズでありながら演算性能は400GFLOPSを超え、消費電力わずか5ワットと省エネです。

Jetson nanoのスペック

Jetson nanoのスペックは下記の通りになっています。

項目	詳細
GPU	128-core Maxwell
CPU	Quad-core ARM A57 @ 1.43 GHz
Memory	4 GB 64-bit LPDDR4 25.6 GB/s
Storage	microSD (not included)
Video Encoder	4K @ 30 / 4x 1080p @ 30 / 9x 720p @ 30 (H.264/H.265)
Video Decoder	4K @ 60 / 2x 4K @ 30
Camera 1x MIPI CSI-2 DPHY lanes
Connectivity	Gigabit Ethernet, M.2 Key E
Display	HDMI 2.0 and eDP 1.4
USB	4x USB 3.0, USB 2.0 Micro-B
Others	GPIO, I2C, I2S, SPI, UART
Mechanical	100 mm x 80 mm x 29 mm

スペックシートにはありませんが、給電は5Wのmicro USBポートからも行うことができるようです。製品画像を見ると、ポート類の一番右側がmicro USBのように見えますね。

Jetson nanoを他のボードコンピュータと比べて見る

続いて、Jetson nanoを他のシングルボードコンピュータと比べてみました。

歴代Jetsonとスペックを比較

まずは、同じJetsonシリーズの歴代モデルとの比較です。

Jetson TK1	Jetson TX1	Jetson TX2	Jetson nano
SOC	Tegra K1	Tegra X1	Tegra X2
GPU	192基の CUDA コアを搭載した NVIDIA Kepler GPU	256基のCUDAコアを搭載した NVIDIA Maxwell GPU	256基のCUDAコアを搭載した NVIDIA Pascall GPU
CPU	NVIDIA 4-Plus-1™ Quad-Core ARM® Cortex™-A15	64ビットARM A57 CPU	HMP Dual Denver 2/2 MB L2 + Quad ARM® A57/2 MB L2
メモリ	2 GB	4GB	8 GB
ストレージ	16GB eMMC	16GB eMMC	32GB eMMC
演算性能	326 GFLOPS	1 TFLOPS
価格		93,798円	88,992円
url	https://www.nvidia.co.jp/object/jetson-tk1-embedded-dev-kit-jp.html	https://www.nvidia.com/ja-jp/autonomous-machines/embedded-systems-dev-kits-modules/	https://www.nvidia.com/ja-jp/autonomous-machines/embedded-systems-dev-kits-modules/

SOCがTegra X1なので、Jetson TX1の廉価版というイメージでしょうか。サイズが小さいのと5W駆動ということで、モバイルディープラーニングには俄然Jetson nanoですね。

電力効率が非常によく、わずか5 Wの消費電力で信じられないパフォーマンスを実現します。また、深層学習、コンピュータビジョン、GPUコンピューティング、マルチメディア処理などのための Board Support Package（BSP）、Linux OS、NVIDIA CUDA、cuDNN、およびTensorRTのソフトウェアライブラリをJetpackによりすぐにご使用頂けます。
Jetson Nano 開発者キット

性能的には、初代Jetson TK1より若干高く、それでも前モデルJetson TX1の半分の演算性能といったところです。

Jeston TX1が日本では10万円近い価格で販売されていたことを考えると、1/8程度の価格でその半分の性能を出せるのは、普通に考えてすごいことです。

2019年3月現在・Jetsonの最上位機種であるJetson TX2と比べると、メモリ・ストレージの容量、ネットワーク・インターフェース（TX2にはWifi・Bluetoothがある）など、細かいところでは足りないところもありますが、ローカル開発環境で使う分には問題ないレベルです。